The night before TUNAMI. The small deflation before the massive inflation 2010.

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三年前から「そういう考え方もあるね」と言われ続けられているが最近は「たしかにその傾向が見られるね。いやだね」という声が増えてきたので、ブログにて発表することにする。これから後に述べる私の私見は外れて欲しいと深く願っているが回避する策を私は見出すことができない。また回避できなくともその先には意外と楽観的でいられる社会が待っているのではないだろうか。


日銀が10兆円もの資金供給をしデフレを解消し円高抑制を行うとの報道が2008/12/1の朝刊トップ記事となった。
2009/12/01 日銀が10兆円規模の新たな資金供給策、追加金融緩和策を決定
しかし、その背景についてはあまり深く述べられていない。もっともっと最近のグローバルかつ歴史的な考察も交えて、この資金供給にいたった背景を捉えなければならないのではないだろうか。
アフリカ、東南アジア諸国、南米は、ヨーロッパによって支配されていた植民地時代は奴隷制度などもありひどい扱いであったが、その後は人道的な観点から平等な社会がいったん形成されたように思えたが、西欧社会による経済システムの波にうまく乗せることにより、実質的には奴隷のような劣悪な労働環境を強いてきていた。カカオや鉱物資源など保存性の高いもの意外は先進国に輸出という名のもとの略奪はされずに、いまからすれば生活は成り立っていたように思える。
しかし、大規模なコンテナ船の建造と保冷コンテナの進化やロシア製の中古輸送機による冷凍空輸などが可能によって、食料がそのターゲットとなっていった。先進国の貨幣価値が強くなるように設計しているため、物資の範囲を食料にまで広げた結果、悲惨なことになっている。
世界で食糧難のランキング上位のタンザニアは、白身魚のナイルパーチを日本、ロシア、欧州に輸出している。その数量はタンザニア国民が必要なたんぱく質源の量を上回るそうだ。ナイルパーチは、日本では低価格弁当に「白身魚のフライ」として利用されている魚だ。(ナイルパーチは、ビクトリア湖の固有種を食べている外来種で固有種が激減しているために、ナイルパーチはあとわずかで捕獲できなくなるといわれているが)
海外食料品店にいってみると、チュニジア産のパスタが500グラムで98円で売られている。イタリア産は500グラムで最低価格のものが128円なので、98円のものも売れていることだろう。チュニジアはローマ帝国文化が残るアフリカの一国なので、試しに購入してみたが、美味しかった。そう、食料が不足しているアフリカ大陸から輸出されているのだ。
日本国内で消費されている大量のタコ。西アフリカのモロッコとモーリタニアからやってくる。これは地中海で捕獲されたものだが、イタリヤやモロッコは激減している現状から捕獲を禁止している。WWF-J 魚種別に見る水産資源の現状と問題/タコ
アフリカの人たちが必要としている食料を食べつくしたのは誰だろうか。
長らく世界を都合よく使ってきた欧州そして兄弟の米国。その傘下の家来となった日本、台湾、韓国。世界を都合よく扱うつもりで作り上げきた「貨幣」という紙キレ、そして最近はその紙を高度な経済テクニックにて、債権、証券へ。そしてさらに高度な金融システムを作り上げ、その実態の把握を困難なものにしてきた。実態経済をはるかに上回る架空の資金が金融市場に「将来の利益の先取り」をするということにより膨れ上がってしまった。
金融テクノロジーにより「労働をせずして楽にお金という等価交換(と思わせている)」によって、物資を得ることを覚えた先進国の人たちが増加し、生産をせずして消費をすることを覚えてしまったために、資源を大きく枯渇させる結果となったり、経済的な奴隷を大量動員する必要性がでてしまったのだ。
金融テクニックによって労働をしなくなったのだから、物資は輸入しつづけなければならない。特に日本は島国で農作物は作りづらい。鉱物資源も輸入しなければならない。工業製品を作って輸出し外貨を稼ぐことが生命線だ。しかし、金融テクニックにより円高が普通の状態となり、国内生産がままならず、ホワイトカラー人口は増え続けた。
日本のメーカも安価な労働力を求めて中国など世界各地での生産を加速させ、大型コンテナ船(その巨大さたるや、東京タワーを横にして容易に乗せられます)が物流を担ったために気がつかなくなった。
日本国内で生産が減少すると金融テクニックによる外貨獲得は増えた(配当収入増)が、再投資に回ることがおおく、日本国内に実質的なキャッシュが戻ってくることが大きく減りだしたのが、2000年頃からのように感じている。このため若者が製造業への派遣という形で日本国内に安価な労働力を生み出す必要性が社会的に生まれてきたのではないかと感じる。(小泉首相のせいだけではないはずだ) この頃からデフレは始まっている。
また日本は先進国で最高の国債発行国となった。国民が政府を信用しなくなったイタリアを倍近く抜いて第一位。日本国債を生保、損保、民間銀行、郵便貯金に押し付けてかってもらっているのが、現状。日本国債は格付け評価は高いがあれは信用ならないことは、リーマンショックにて公知の事実。日本国債は現時点で864兆円。今年は50兆円の国債を発行した。しかし、日本政府が保有する米国債7245億ドル(72兆4500億円:100円換算)あることはあまり国民に認知されていない。日本が米国債をすべて売却すれば、1.5年は国債を発行しなくて済むことにはなる。
米国債は売却できない。株式や債権などの権利はもっていても行使できなければ、紙屑なのは、たくさんの企業に自己資本投資をした私自身がよく痛感しているところだ。
第二次大戦中に発行された日本の戦時国際(戦争国債)。戦後のインフレにより無価値になった。こうした債権は「いつかインフレを起こすことによってチャラにする。でもチャラにする前なら金利もらえるよ。」という椅子取りゲーム型のビジネスモデルの上に成り立っていることは歴史がなんども証明している。
この長く続いているデフレは、大きなインフレが来る前の「引き潮」である。あいにくと米国のセントルイス連邦準備銀行の統計データでインフレ前のデフレのチャートを引用しようとしたが、1955年以前のデータを見つけることはできなかったが1930年前後のデフレ状態と類似している。
その後はみんなが知っているとおり、第二次大戦によって借金を背負った国はインフレによって借金帳消しを行った。デフレの後にはなにをして世界を立て直すのか。
(1)戦争を行い、貨幣経済をむちゃくちゃにしてリセットする
(2)国債を買う者が完全に不在となり債務不履行(デホルト)を宣言する
(3)金本位制による新通貨を導入し、現在の通貨は無価値とする宣言をする
現在は、2の可能性が高くデホルトを宣言したとたんに急激なインフレが該当国を襲い債権・紙幣ともに無価値となる。ソ連崩壊後のロシア政府が安定するまで5年経過したようだが、日米欧による同時デホルトは2年程度で落ち着くと推測する。
その間、中国は大量に保有している金(GOLD)を元手に世界の新たな金融システムの中心となる可能性が高い。
2009/12/01 中国の金鉱山開発大手、豪資源会社に買収提案
2009/11/30 中国政府高官「金保有、10年以内に1万トン」 ドル安で買い増し論
ここ数日、中国は金関連のニュースが多いのでとても恐怖感を覚える。
インフレ後は、実体経済と同じ水準に金融市場が戻るため、先進国と後発国のギャップが少し縮まるため、先進国での雇用が大きく伸びる可能性が高い。しかし、金本位制になっても、現時点で米国が8134トンで世界一。ドイツの3408トン、イタリアの2452トンという形で、先進国による支配はまだまだ続くのであろう。
しかし、これからの21世紀は「地球市民のために地球全体を考えた社会的な活動が、ひいては自分の子孫自身の存続にかかわる問題である」ということを強く感じている人たちが増えているため、そうした善良な心が人々に芽生えてくるのではないだろうか。
人類は地球という生き物で繁殖するバクテリアでないことを宇宙に示し、今後数千年以上地球とともにパートナーシップをもって存続していくことを考えなければ、地球は火星のような不毛な星となり、恐竜のように過去のものとなってしまうことは明白なのだから。
「砂漠の出現は人類の出現とともに現れた。砂漠は人類が存続した証である」というのはあまりにも悲しすぎる結末の序章ではないだろうか。

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