Google Affiliateは、まだか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

いまからちょうど3年前に直リンク型の自社運用アフィリエイトシステムを出荷して、数社のEC企業様に導入していただいた。それまでのアフィリエイトシステムは、アフィリエイトASP事業者のシステムを借り、アフィリエイターのサイトからアフィリエイトASPを経由して、ECサイトへ訪れるという仕組みであった。私が開発したシステムは、直リンク型であり、アフィリエイターIDなどのパラメータもつける必要なく直リンクにて気軽にアフリエイトができるというシステムであった。


仕組みとして、簡単でECサイトのアクセログに記録される「リファラータグ」という「利用者がどこのサイトから訪問してきたか」という情報をもとにアフィエイトを行うという仕組みだ。
メリット:
1)アフィリエイターは純粋に紹介するだけでコード生成をする必要がないため、執筆能力があれば素人でもアフィリエイターになれた。
2)直リンクであるためSEO効果が抜群に優れた。
3)ASP事業者を利用しないため、アフィリエイターに対しての報酬額上のメリットをつけられた。
デメリット:
1)ECサイトがアフィリエイターを自ら集めなければいけなかった。
2)膨大な数の少額な未払金を経理が管理しなければならなかった。
3)他人のBLOGや大手サイトを自らが運用していると申請をし不正を働くアフリエイト登録者がおり、対策に頭を悩ました。
4)アクセスログと接続するため、システム運用上の手間がかかった。
さて、アクセスログを利用する仕組みであるため、このソリューションはアクセス解析ソフトを発展させることによるほうがソリューションとしての実現性や親和性が高いことが開発を延長していくほど判明してきた。
実際に、アクセス解析ソフト開発ベンダーの数社が、私が手がけた直リンク型のアフィエイトソリューションに興味をもち、ノウハウの提供を求めてきた。すでに開発ロードマップ上には乗っていることだろう。
しかし、純粋にアクセス解析ソフトを発展させるだけでは、デメリットの多くを解決することができない。「アクセス解析ソリューションをASP提供している」「サイト管理者を認証する仕組み」「記事などを書くサイト運営者を組織化しお金を支払っている」の3つの要件に合致をすると、デメリットのすべてを消し去ることができると、私は最近思いついた。
これら3つのことに該当をする要件を満たしている企業は、1社。現時点では、Googleしか存在しない。Google Analytics、Google Webmaster toolそしてGoogle AdSenseの3つだ。しかも、アフィエイト対象企業となる企業とGoogle Adwordsを通じて口座をすでに有しているため、Google affiliateは、Google Adwordsの1つの機能として提供される可能性もある。コンバージョンポイントへもAdwordsのコンバージョンタグをそのまま活用することにより、ECサイトへの手間もなくすことができる。
ECサイトからアフィリエイターへの支払いも、Adwordsへの支払いと一本化することで解決することができるだろう。
ヤフーは、アクセス解析を提供していないが、たぶんたいした手間でもないだろうから、Overtureの仕組みとして提供することになるのかもしれない。また逆にアフィエイトサイトを現在のOvertureの広告が出稿される質の良いメディアに限定をし、グーグルと差別化を図ることが考えられる。
しかし、このSEO効果がある仕組みをGoogleが行うと自らの検索結果が恣意的なものとなり、自己矛盾に陥ってしまう。このため、Googleでは、アフィリエイトシステムにおけるリンク情報をPagePank算出ロジックに組み込み、その情報を排除し恣意的な情報を排除することになるだろう。そうすると逆にアフィエイトを利用するとSEO効果がマイナスの方向に働く危険性も内包することになる。
さて私はなぜ、このような文章をBLOGに書いたのかというと、早くも検索連動キーワード広告におけるビジネスモデルの陰りが見えてきたからだ。ネット広告といえば、バナー広告がインターネット広告として誕生した頃は、かなりクリックがされて楽しかった。広末涼子の顔写真をいれたドコモのバナーを私がデザインをして、ヤフーから賞を頂いたなんて懐かしい記憶もある。クリック率はいまから考えると劇的に高かった。しかし、いまやバナー広告のクリック率は驚くほど低い。街中でのティッシュ配布のほうがコンバージョン率が高いと言える。
広告代理店さんは「ブランディングに役立っている」と説明するが、私は「では、あなたが毎朝最寄り駅で電車に乗られる時に、プラットフォーム上のどこかいつもの定位置から乗られていると思いますが、その前にある看板の広告は、いまなんだったか記憶していますか?」と聞きます。誰もが答えられません。
「人は無駄な情報を排除して頭を情報だらけで混乱させないようにする」という便利なSPAMフィルターともいうべき機能を持っています。深層心理に焼きつくという方もいますし、心理学的にも一部実証されているところもありますが、それはなにか「はっ」とした時だけだと思います。
さて、バナー広告市場が年月を経てたどったクリック率の低下現象よりも、検索連動広告はもっと早く低下をしています。当社のクライアント企業様からも「CPAがますます悪くなってきているので、改善のしようがないが、なんとか改善したい」という要望ばかりが寄せられるようになってきました。実際、去年よりも今年が改善を行うのが困難になってきています。 http://www.bluestar.co.jp/pdf/listingsadv.pdf
このため、Googleは収益はAdwordsによる収益をカバーするための別の収益モデルを作る必要性に迫られるため、バナー広告配信のダブルクリックを買収したり、行動ターゲティングを真剣に開発したりしている。アフィエイトは、媒体会社(AdSense利用媒体)にとっても、価値のある記事を潤沢な販促費をもつ市場に対して発信することができる機会を生むことになるだろう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る